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【見落とすと大変!顧客との距離感】

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今日は「顧客との距離感」についてお話しします。

 

今、ファッションの世界で注目されている販売手法は、See Now, Buy Now(いま見て、いま買う)です。

ショーで発表された商品が店頭やネットですぐに買えるこの手法。

これによって消費者の購買行動が全く変わりました。

 

これまで、ファッションショーと言えば特別なバイヤーや報道関係者だけにほぼ限定。しかも、そこは販売というよりも各ブランドのクリエーティビティのプレゼンの場に近いものでした。

 

ところが2016年ロンドンのショーでバーバリーがSee Now, Buy Nowを成功させたことで様々なブランドが取り入れました。

それを契機にファッションショーはネットを使って即買える、販売の場に変化してきました。

 

でも実は、東京ガールズコレクション(TGC)では10年以上前からすでにやっているんですよね。そのTGC、第25回目が9月に開催されました。

 

TGCの素晴らしいのは、ブランド側が戦略的に作っている商品と顧客との距離感です。ファッションショーですから、もちろん商品やモデルさんは憧れの対象でなければいけません。しかし、その憧れが手の届かないほど遠くにあると、見て楽しむものとして終わってしまいます。商品はいつまで経ってもショッピングカートには入りません。

 

TGCは延べ3万人が会場に行き、140万人以上がライブ中継で視聴し、1億インプレッション以上のツイートをし、購入までしてくれるという圧倒的な力を持つイベントとして他のショーを追随を許さない存在になっている、と言ってもいいと思います。

 

それを実現させている要素のひとつが絶妙な距離感なんです。

 

ここで顧客との距離感に配慮して成功しつつある食材宅配ビジネスのHelloFreshを紹介します。

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【事例】

HelloFresh

https://www.hellofresh.com/tasty/

ヨーロッパで創業された当社がアメリカに進出したのは2016年でした。

できる限りの地産地消と栄養バランスを考えた食材の会員制宅配ビジネスです。

 

この企業のユニークなところはレシピ写真における顧客との距離感です。

食品を扱うほとんどの会社は出来上がりのレシピ写真をできるだけ美味しそうに、美しく見せようと工夫しますよね。

 

この会社もそうしていました。

宅配される食材を使うとこんなに美味しそうな、美しい料理ができるんだと写真の仕上がりを細部に亘って徹底的にこだわりました。

 

ところがある時、小さな子ども5人を抱えるお母さんから、うちではこんなに美しい盛付けは、やってみたいけど、ありえない、という声を耳にしました。

料理の盛付けをこんなにきれいにして、最後にお皿の回りを拭いてから出すなんて、5人の子どもが暴れまわっている状況ではとても無理だ、というわけです。

 

これがきっかけとなり社内の議論に火がつきました。

本当にこんなにきれいな写真が必要なのだろうか、これが顧客のためになるのだろうかと。

 

そこで、テストをすることにしました。

一枚はこれまでと同じように最後の盛付けの美しさまでこだわった写真。

もう一枚は、いかにも日常生活の中で作られた仕上がりの写真。どちらが好感を持たれるかのテストです。

 

なんどやっても結果は同じ。

生活感を感じさせる、ちょっと雑な感じの写真の方が評判がいいのです。

 

いろいろな調査をした結果、高級レストランのようなレシピ写真は「できたらいいな」という憧れは感じるけれど自分のものとは思わないと。

さらに、自分が作った実際のものと、きれいなレシピ写真の違いを目の当たりすると自分が「失敗した」ように感じるとも。

 

顧客の現実と商品が「自分も頑張れば手が届く範囲」という距離感がベストであるという結論を出しました。

 

その後、順調に会員数を伸ばしているとのことです。

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以上今回は「顧客との距離感」の重要性についてでした。

では

 

LAコンサルティング

赤羽 誠

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