ゼロから起業する際、早めに成長できる方法の1つに貢献ブランドを作るという方法があります。ここでは
- なぜ貢献要素を入れると起業のスタートダッシュができるか
- 具体的なやり方
についてお伝えします。
なぜ貢献ブランドが起業成功を促進させるのか
そもそも貢献ブランドってなに?
「貢献ブランド」とは、自分も人も幸せになっていくビジネスの仕組みをブランド化したものです。ビジネスは自分だけが儲かればいい、はNGですよね。長い目でみると、自分だけが儲かればいいという人は儲からないのです。では徹底的に利他的であればいいか?利他的であることは素晴らしいこと。でもそれだけを目指すならビジネスでやる必要はないかもしれません。
ビジネスにおいて貢献ブランドを作ることは、社会や周辺が関心を持つテーマ、解決したいテーマを自分のビジネスの目的に取り込むこと。そして、それによって「自分がビジネスをやることで、その問題の解決に貢献する」こんなビジネスのあり方をブランド化したものです。
なので、貢献ブランドにはかならず「社会性」のあるテーマがくっついているとご理解ください。
なぜ貢献ブランドの起業がうまくいくのか
ではなぜ、貢献ブランドにすると起業自体がうまく回るのか?
貢献ブランドの「貢献」とは、言ってみれば「大義名分」のこと。往々にして、ものごと全てにおいてやり方や考え方については、賛否両論があるものです。しかし「〇〇のために」が社会全体の向上に寄与するものであれば概ね賛同するもの。それが大義です。
だから、大義をビジネスの目的としている「貢献ブランド」は人からの賛同や応援が得られやすいんです。
都内のタワマン買いたい!だからビジネス始めました。みんな協力してくだい!
そう言われてもねぇ・・・。ま、頑張ってください。
自分のタワマンのために協力???そりゃ、この反応しょうがないですよね。
でも、
大きな台風が来ても壊れない家、そんな家を作って防災に貢献したい。だからリフォーム会社作りました。応援してください!
そうなんですか!被害に遭った友人に言ってみます!
これはちょっと極端な例ですが、ビジネスを通じて社会やコミュニティの役に立つ、なんらかの良いことをするという大義名分があるとお客さまが応援してくれるということです。
同じリフォーム会社でもサービスや料金が同じだったら「防災に貢献したい」という大義名分がある会社に注文したいですよね。これが「貢献ブランド」にするとビジネスがうまくいきやすい理由です。
成功事例
世間でうまくいっていると言われているビジネス。そのほとんどが実は社会性を自社ビジネスのテーマに取り入れています。それをキャッチフレーズのように表に出すか出さないかは別としてですが。
例えば、
- どこでも繋がっているという新しいコミュニティ感覚を提案する(Airbnb)
- より快適な毎日をより多くの人へ(イケア)
- 「うまい、やすい、はやい」「外食NO1のサービスの実現」(吉野家)
これらは3社のコンセプトです。
そして、それらが大義名分としているのは以下であると感じています。
- Airbnb:テクノロジーを使った新しいビジネスで人と人との繋がり、つまり新しいコミュニティの形成に貢献
- イケア:お手頃価格で買える家具を通じて健康的でサステイナブルな生活をおくれる世界に貢献
- 吉野家:うまい、やすい、はやいで人の喜びに貢献
具体的にはどうやるの
実は、作業としては、そんなに難しいことではありません。以下の3つのステップで出来るようになります。
ステップ1:社会の大きな課題や問題を意識する
まずは社会課題と言われているものや、そんなに大袈裟なものではないけど周辺のお困りごとを意識するところから始まります。社会課題や周辺のお困りごとは、まず自分の周囲がどんなレイヤー(層)で構成されているのかを意識することからスタートします。
地理的・領域的なことでいうと、自分を取り巻くものはこんなレイヤー(層)になってますよね。
- 地球規模
- 日本
- 地域
- 所属するコミュニティ
- 自分の周辺
これらには、それぞれのレベルの課題があります。まずはこの課題の存在を意識して、人が何に困っているのか、そして何をすれば解決の手伝いができるのか、困っていることの本質は何かなどといった視点を日頃からもつことをオススメします。
そして、次の段階はなんとなく意識した課題と自分のやっている(または、やろうとしている)ビジネスと結びつけることです。
ステップ2:自分のビジネスとを結びつける
これには、
- 大きな課題から自分のビジネスに向かうチャンクダウン型
- 具体的な自分のビジネスから大きな課題に向かっていくチャンクアップ型
があります。どちらか一つ、または両方をやってみて「大義名分」を決めていくのがいいでしょう。
チャンクダウン型
これは抽象度の高いことを「より具体的なことへ」と進めるアプローチです。
先ほど出した地理的・領域的なくくりを前提として、それぞれが何に困っているのかを書き出します。そして困っている課題を、自分のビジネスで提供する価値を意識しながら、それらの接点を見つけていきます。
例えば、地球規模での問題として「経済格差」という大きな問題を取り上げたとします。経済格差の是正ってとても自分一人で取り組める問題ではないですよね。このとてつもなく大きな問題を、自分のビジネスを意識しながらチャンクダウンしていきます。
- 経済格差
- 誰でも起業して望む経済状態を手に入れられるようにする
- 起業して経済力を高める
- 集客スキルを教える
- SNSだけで集客できるスキルをZoomで教える
- 集客スキルを教える
- 起業して経済力を高める
- 誰でも起業して望む経済状態を手に入れられるようにする
これによって「誰でもSNS起業してお金を稼げるスキルを身につけることで経済格差と闘う」のような大義名分を含んだ事業の目的を作ることができます。もちろん、これはビジネスという領域で起業を考えている人、またはすでに始めている人の領域の例ですが、あらゆる分野に応用がききます。
一方、チャンクアップ型はこのようにやります。
チャンクアップ型
あなたは、中小企業向けの作業代行業をスタートさせようとしているとします。これをチャンクアップでどんどん抽象度を高くしていきます。
- 中小企業の作業代行
- 誰でもできる作業を代行することでアイデアに時間を使ってもらう
- 生まれたアイデアから革新的サービスを展開する中小企業を応援
- 世界を驚かすイノベーションを生み出す日本の中小企業を横からサポート
- 生まれたアイデアから革新的サービスを展開する中小企業を応援
- 誰でもできる作業を代行することでアイデアに時間を使ってもらう
これによって単なる中小企業向けの作業代行業ではなく「世界に打って出る日本の中小企業をサポート」という大義名分ができるわけです。こんな会社にお手伝いお願いしたくなりますよね、思わず!
ステップ3:目的、コンセプト、キャッチフレーズを調整
このように決めた大義名文をビジネスの中核となるもの(目的、コンセプト、キャッチフレーズ)に取り入れます。と言っても、キャッチフレーズなど対外的に発信していくメッセージに大義名分を直接的に入れる必要はかならずしもありません。
上記の例でいうと、
- 事業の目的は:誰でもSNS起業してお金を稼げるというスキルを提供することで経済格差と闘う
- 事業コンセプト:お金をかけずにSNSを活用して起業することで経済的不安のない生活を提供
- キャッチフレーズ:お金をかけずに家にいながらゼロからSNS起業して経済的自由を手に入れる最強テクニック
こんな感じに、大義名分を取り入れて、コンセプトやキャッチフレーズにまで展開していきます。
まとめ
これまでのまとめをすると以下になります。また、これまでお伝えしなかったことで注意すべき重要な点として「実態としても行動する」を挙げたいと思います。
社会性のあるミッションを持つ
社会性のあるミッション(=目的)を持つ。これによって周囲や社会から賛同され、具体的な応援に結びつくことがあります。単なるお金儲けだけを目的とした起業ではなく、周囲からの有形無形の応援を得ながら起業する「貢献ブランド」は起業のスタートダッシュに役に立ちます。
ミッションとビジネスを合理的につなげる
ミッション(=目的)と自分のビジネスを合理的に結びつける必要があります。この合理性がないと人々からは「なぜそれなの?」という疑問が出てきてしまい、応援という気持ちに直接繋がりません。なので「なるほどね!」という腹落ち感を与える合理性が必要です。そのためにチャンクアップ、チャンクダウンというやり方を活用してください。
実態としても行動する
そして最後ですが一番大事といってもいいのがこれ。つまり大義名分をいくらかざしても実態が伴わなければ説得力がありません。いえ、それどころか「言ってるだけ」というネガティブなレッテルを貼られてしまいます。大義名分を決めて自分のビジネスに取り入れる場合は、必ず実態のあるものにしましょう。つまり、その大義名分のために行動をすることです。
例えば、世界を驚かすイノベーションを生み出す日本企業を応援する場合は、世界の革新的な企業の革新性の背景にある効率化を研究。その効率化を作業レベルにリスト化したものを作り公開するなど、具体的な貢献活動を日頃からやることが必要となります。
ということで「なぜ貢献ブランドにするとビジネスが成功するのか」についてお伝えしました。ではまた。