今月号(11月12月合併号)の
米ハーバード・ビジネス・レビュー誌は
リーダーシップについての特集でした。
「2017年世界のベスト・パフォーマンスCEO」
(The Best-Performing CEOs in the world 2017)
と題して100位までのCEOがランキングされています。
その中でナンバーワンに輝いたのは
ファッションリテール「Zara」などを運営する
InditexのPablo Isla氏でした。
Inditex
https://www.inditex.com/
記事によるとIsla氏はグローバル企業のCEOには珍しく
謙虚で控えめ、時にはシャイとまで社内から評される
マネジメントスタイルであるとのことです。
・8つのブランド
・93ヶ国に7,300の店舗
・16万人の社員
を束ねるCEOとして、世界中を
飛び回っていますが、意外にも店のオープニングに
立ち会って自身が脚光を浴びることは
ほとんどしないとのこと。
リテールの主役はあくまでも商品、
そしてオープニングで中心人物が
必要ならそれは店長と
決めて徹底しているようです。
とてもフラットな組織構造を標榜し、
フォーマルなミーティングもほとんどなく、
カチッとした経営委員会もないとのこと。
驚きですね。
社員には職場でのカジュアルな社員同士の会話や
部署間を歩き回ることで得た情報をもとに
意思決定をさせている。
それが社員の仕事に対するモチベーションに
なっている。
あくまでもチームプレーを重視するので、
一人のスター選手は必要としない。
そして会社全体が起業家精神を持つように
しているといいます。
H&Mやユニクロと並んでファストファッションの
代表格であるZara。
ファストファッションと言えば、
いかにお客様の要望を応えてフレキシブルに対応するか。
素材の調達や商品のデザインからはじまるサプライチェーンを
生産・輸送までいかにスピード感をもたせて
商品を供給するか。
これが価値ですよね。
しかし注力しているところは
あくまでも「商品のデザイン」であり「質」。
スピードより正確さとのことです。
Isla氏のパーソナリティとしての謙虚さと
ビジネスを回すためのこだわりとその徹底ぶり。
どこかで聞いたことありませんか?
そうです。
『ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則』(ジム・コリンズ著)
の「第5水準の経営者」を思い出しますよね。
「第5水準の経営者」とは
・有能な個人である
・組織に寄与する個人である
・有能な管理者である
・有能な経営者である
ことを満たしつつ
個人としての謙虚さと職業人としての
意思の強さの両面を持つと
ジム・コリンズは言っています。
「個人としての謙虚さ」とは
・おどろくほど謙虚で自慢しない
・野心は自分個人にではなく、企業に向ける
・成功した時には窓を見て、自分以外の成功要因を見つける
・魅力的なカリスマ性ではなく、
「職業人としての意思の強さ」とは
・素晴らしい実績を生み出し、偉大な企業への飛躍をもたらす
・どれほど困難でも必要なことは全て行う固い意思を示す
・偉大さが永続する企業を築くために基準を設定。
・結果が悪かった時には、鏡を見て責任は自分にあると考える
残念ながら個人的な面識はありませんが、
Isla氏のリーダーシップスタイルを読んでいるうちに、
「第5水準の経営者」を思い出してしまいました。
「リーダーシップとはどうあるべきか」
もちろん簡単なテーマではありません。
組織によってベストなリーダーシップは
違うかもしれません。
しかし、一つ言えることは
「自分がどうしたいか」ではなく、
・お客様が満足するためには
・社員が動くためには
・企業が発展するためには
「自分はどうあるべきか」
「自分はどう振舞ったらいいか」
「自分はどんな行動をとるべきか」
という視点を持っている人が本当のリーダーではないか
と感じています。
この視点移動、
たまに思い出してみてくださいね。
ではまた
LAコンサルティング
赤羽