先日スタバに行った時のこと。
すごく怒ってるお客さんと遭遇しました。
電話の声がどんどん大きくなって、
他のお客さんも振り向くぐらいの状況です。
怒りの矛先は仕事の同僚。
電話の向こうは相談相手のようです。
何しろ大声。
自然と話が入ってきてしまいます。
どうやらこんな状況のようです。
同僚から仕事に関することを相談された。
マニュアルに載ってないことだったが、
急ぎの案件だったので、自分のアイデアを
同僚に提案。
「こうやってみたら」と。
ところが、それによって同僚は大きなミスをしてしまった。
マネージャーから怒られた際、同僚は自分に
責任を押し付けようとした。
これが話のアウトラインと怒りの原因です。
そして電話の向こうの相談相手はこの人の怒りに加担しているらしく
怒りは次第に大きくなっていきます。
それが声の大きさから手に取るように分かりました。
「怒っているとき」「怒りの感情があるとき」誰に相談すべきか。
そんなことを考えてみました。
相談する人のポジションは3つあります。
1 自分と同じ立ち位置
2 敵対する相手の立ち位置
3 俯瞰して全体を見る立ち位置
相談する人のとるポジションによって何が起こるかを考えてみましょう。
1 自分と同じ立ち位置だった場合
「この人は自分の味方だ」と安心感を感じます。
「そうだよね、わかるよ」と自分を肯定し、
「そりゃひどい」と相手を非難してくれます。
あなたは「我が意を得たり」と、
怒りやその他のネガティブな感情を増幅させ、
さらに発散させることになります。
ネガティブ感情の発散をオッケーだと許してくれる
相談相手だからです。
「分かる分かる」
「怒るのはもっともだ」
「ひどいね、その同僚」
と言ってくれるからです。
でも、その結果何が起こるんでしょう。
同僚に対する嫌悪感
信頼関係の伴わない同僚との関係性
場合によっては、関係そのものの放棄。
こんなことが起こるわけです。
ものごとが起こると人は以下のプロセスで心や行動が進行します。
①体験
②感情(考え方)
③考え方(感情)
④結果
まず起きた出来事を体験①します。
この体験を通じて感情②が発生します。
この感情は特定のものの考え方③を誘発します。
この考え方に基づいた結果④が現象として起こるわけです。
この結果は、感情や考え方を増幅したり強固なものとします。
そしてそれに基づいた結果が再び現れるのです。
なので、考え方や感情がネガティブなものであれば、
一連のプロセスはネガティブなスパイラルとなるわけです。
感情が今回のような「怒り」である時、
相談する相手が自分と同じ立ち位置にある場合、
怒りというネガティブな感情が増幅され、
その結果ネガティブなスパイラルに陥ります。
建設的なことが何も生まれないこのスパイラル。
これに関する相談相手は「適当な相談相手」
とは言えませんよね。
2 敵対する相手の立ち位置だった場合
自分の相談相手が怒りの矛先と同じ立ち位置を取る場合。
今回の場合、同僚と同じ立ち位置ということです。
自分が信頼している、自分のサポートを期待していた
相談相手が敵対する相手の立場をサポートする。
これショックですよね。
裏切られたという感覚に近いかもしれません。
自分の行為をダブルで非難されるわけですから、
「悪いのは本当は自分なのか」って冷静に考える前に、
殻に閉じこもっちゃいそうですよね。
閉じこもると視野が狭くなり、
思考の発展性がなくなります。
なので、このようなポジションを取る人も
あなたの相談相手としてふさわしくないかもしれません。
3 俯瞰して全体を見る立ち位置だった場合
相談すべき相手はこんな人です。
あなたの立場を理解しようとしてくれる。
そして、相手の立場にも考えを及ばせる。
さらに、起きている出来事の全体像を俯瞰して見る。
体験を通じてあなたが考えたこと、そして
その感情に至ったプロセスを認め共感してくれます。
しかし、
一方的にあなたを感情レベルで応援するのではありません。
相手の立場にもなって、なぜ相手はこんなことをしたのか
について分析的に理解しようとしてくれます。
さらに、
状況を俯瞰して客観的なコメントをくれる可能性が
あります。
なぜ、相談すべきは、こういったタイプの人がいいのでしょうか。
それは、このタイプの人からのコメントによって
「気づき」がもたらされるからです。
「気づき」とは、
・自分が見えていることが、起きていることの全てではないという気づき。
・「怒り」という感情だけが自分が選択できる感情の全てではないという気づき。
・起きたことはコントロールできないが、ものの見方、その先にある行動は、自分がコントロールできるという気づき。
自分のことも、相手のことも、同様に尊重してくれる。
本当に素晴らしいのは、直面している怒りを鎮めるとかという
レベルではありません。
そんな姿勢に触れることで、
自分の自己肯定感が上がっていくことです。
「自分を認め、相手も認める」
自己肯定感アップの基本ですから。
相談相手、だれを選ぶかはとても大事ですね。
ではまた
赤羽 まこと