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実践編メールセミナー:第5回
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5回目の今日は「失敗を責めない文化を作る」を実践するための「全てを使い倒す用意できてますよね?」です。
早速本日お話する内容です。
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◆本日の内容
失敗を責めない文化作りのためにまずやること
失敗のプロセスを明らかにする
失敗体験も含め成功のために全てを使い倒す
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失敗を責めない文化作りのためにまずやること
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まず何と言っても大事なのは経営トップの宣言です。
「失敗を恐れずチャレンジ精神と実行力を尊重する」と明言することが大事です。
企業文化は「なんとなく」からはじまりません。
まずはトップが「これを目指すんだ」「これこそが大事なんだ」と高らかに宣言すること、全てはここからはじまります。
もしあなたの会社で「企業文化」的なものがないのであれば是非経営者であるあなたが目指すものを宣言して下さい。
そして文書化して下さい。
そして朝礼で、メールで、とにかく言い続けて下さい。
その中に「失敗を恐れず、挑戦しろ」という文言を入れて下さい。
社員のアタマだけでなくココロにも入っていった時、それは文化になっているはずです。
とにかく経営トップが言い続けることが何よりも大事なんです。
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失敗のプロセスを明らかにする
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ビジネスに失敗はつきものです。
なので、失敗や失敗した社員を責めていても時間の無駄です。
むしろ会社経営上もっとも怖いのは、失敗を恐れるあまり「チャレンジしない風土」になってしまうこと。これを肝に命じるべきですね。
だから「失敗を責めない文化」を作ると同時に「チャレンジをし続ける」仕組みを作ることも大切なんです。
そもそも失敗とは何なのでしょうか。
これを解き明かすために、まず一般的な作業のプロセスを見てみましょう。
多くの場合3つのフェーズで構成されています。
<計画フェーズ:ひとりまたチームで考える段階>
<承認フェーズ:上長から承認を得る段階>
<実行フェーズ:承認された計画を実行する段階>
「計画フェーズに良し悪しはない」と一旦考えましょう。
承認フェーズで行われることは
「部下がプランを説明して上長から承認をもらうこと」
ですね。
しかし、考えて見て下さい。
その上長、プランを考えた部下よりその領域の知識が
豊富なのでしょうか。
そうではない場合もありますよね。
それにも関わらず上長は判断しなければならないという
気持ちやプレッシャーが強すぎると
誤った「承認」や「却下」をしてしまいます。
ここに失敗の原因のひとつがあります。
そもそも理想的な承認とはどのようなものなのでしょうか。
重要なのは「ネットワーク密度の高さ」のある環境における承認です。
ひとりでは知識や経験がなく判断できなくても、
周辺にその領域に詳しい人たちがいる可能性があります。
ネットワーク密度とは、ものごとを判断する際、必要十分な
知識を持ち合わせた周辺の人たちとの関係性の密度のことです。
正しい承認プロセスを行うにはこの「ネットワーク密度の高さ」、これが一つの重要なポイントとなります。
もうひとつは部下と上司との関係、つまり「上下関係の風通しの良さ」です。部下と上司が「提案する人」「承認する人」というだけの関係だと判断を誤り、その後誤った方向に進んでいき、結果失敗するリスクが高くなります。
その意味では承認プロセスは「上司・部下の共同作業」と認識するべきです。
よくこのテーマになるとよく出てくるのが
「コックピット内の風通しの悪さ」についての話です。
1990年代、大韓航空機の墜落事故が続きました。
事故調査委員会が検証の結果出した結論が
「コックピット内の風通しの悪さ」でした。
つまり機長と副操縦士が自由に話せる雰囲気が
なかったことが原因だという結論です。
副操縦士が受けた命令に違和感を感じたとしても、
機長に反論や確認さえもできない雰囲気があり、
誤った操作の命令がそのまま実行されて
墜落につながったという話です。
部下も上司もなんでも言える「風通しのいい関係」
にしたいですね。
このように「承認のフェーズ」で重要なことは
承認判断に必要な知識や経験を補える「ネットワーク密度の高さ」と
上司・部下の「風通しのいい関係」です。
次に「実行フェーズ」です。
あるひとりができることは限られているんだと
はじめっから考えていると「協力」が生まれます。
協力を生む環境を作るには過度な社員間の競争を排除することです。
「協力する」については「チーム評価」や「貢献評価」という制度で解決できることです。
また「協力を求める」については、成果に対する強いコミットメントと「風土」が解決の糸口となります。
そして何よりも経営トップが「協力が計り知れない成果をうむ」と信じて声高に言い続けることです。
「承認フェーズ」「実行フェーズ」とも経営トップが目配りしていることが大事ですね。
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失敗体験も含め成功のために全てを使い倒す
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経営者が「失敗を恐れず果敢に挑戦しよう」と宣言し「承認フェーズ」と「実行フェーズ」における失敗リスクをできるだけ下げたとしても失敗は起きるもの。
その時大事なのは「失敗を次に成功のためのヒント」として捉えることです。このコンセプトは多くの人が賛同すると思います。
しかし本当に重要なのは、それを制度化することなのです。
「失敗を次の成功のヒントにしよう!」と言ったところで翌週には忘れています。そしてまた同じ失敗をしてしまうのです。
そうならないために、そして「失敗を成功に変える」ためにもやるべきことは「失敗事例の収集」です。
失敗をしたら
・どんな案件での失敗だったのか
・失敗の原因をどう理解しているのか
・私は誰で、チームのメンバーは誰だったのか
を
(これに時間をあまり取られないように)簡潔にまとめて
社員全員が共有できる場所に置いておきます。
物理的なボックスでも、イントラネット上でも構いませんが大事なのは、
失敗事例が次の成功につながるために
・誰でも簡単にアクセスできること
・誰もが簡単にコメントできること
です。
大きな失敗、次へのヒントとなる失敗は表彰してもいいぐらいです。
そのぐらい失敗にはヒントがてんこ盛りなのです。全てを成功のために使い倒して下さい。
さて今日は「失敗を責めない文化を作る」の実践編として「全てを使い倒す用意できてますよね?」についてお話しました。
以下が本日のまとめとなります。
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・失敗を責めない文化・チャレンジの文化を作るには経営者が宣言が必要
・失敗の原因は「承認」と「実行」のフェーズ、特に協力体制にある。
・「風通しのよい関係性」で失敗リスクを最小化へ
・失敗の共有で次回の成功確率を高める
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どうしようもない失敗を除けば、失敗と成功は紙一重だと言われます。
失敗を回避する。これもちろん一番大事です。しかしそれを恐れない文化・挑戦する文化がより大事かもしれませんね。
本日も最後までお読み頂き有難うございます。
LAコンサルティング
赤羽 まこと