個人起業家のブランディングこそWHYが大事。
ビジネス関連のビジョナリーであるサイモン・シネック氏がプレゼンイベントTEDにおいて『優れたリーダーはどうやって行動を促すか』というスピーチをしたことがWHYの重要性と再注目を浴びるきっかけになったのではないかと個人的には思っています。
サイモン・シネック氏はWHYとWHATとHOWの関係、そしてWHYの重要性を見事にスピーチしています。
ブランディングにおいてもWHYは最重要の要素なんです。
その理由は、全てはWHYから始まるからです。
言い換えると、WHYは目的、つまりなぜこのビジネスをやるのか、何のためにやるかを表すものだからです。
WHYをさらに深掘りする
WHY(何のためにやるのか)をいつもしっかり持っている人は何があっても前進していける。ビジネスをやっていると凹むこともある。どんなに好きなことをやっていたとしてもだ。少し前には「折れない心」と言っていたものが最近は「レジリエンス」と表現されることが多くなった気がする。どちらも意味としてはほぼ同じ。
「レジリエンス」(resilience)とは回復力とか復元力の意味を持つ名詞。ストレスや外部からのネガティブな力によって凹んだ心を回復する力として語られる。ポジティブ心理学ではセルフイメージ、楽観性、自己効力感などともに解説させることが多いが、ここでは分析的な解説は避けることにする。
どちらかというとビジネスにおいて日々起こる様々なこと、本当にさまざまなこと。それに対して心が折れたり、凹んだりした状態を元に戻すこのレジリエンス。ビジネスをスタートした時のWHY(何のために始めたのか)を深掘りしている人ほどレジリエンスがある。
WHYがしっかりと深掘りできていると、何が起きた場合、それが「悩み」とならず「課題」となる。「悩み」の状態とは、困った状況が起きた時、単に右往左往すること。あるいは落ち込んでしまうこと。
一方、「課題」として整理できる人は、何が起きても「この状態を改善するにはどうしたらいいか」という解決思考にするになるのだ。問題を悩みとして受け取るのではなく、課題として整理して解決策を講じる。それができる人はWHYをしっかり深掘りしている人。
WHYの構造
ビジネスにおけるWHYは、
Aを実現するためにBをする
という構造になっている。
Aは比較的抽象度の高いものであることが多い。
一方、Bの方は具体的である。
つまりビジネスの目的であるAを実現するために、具体的な取り組みとしてBを日々やる、という構造になっているのがWHYのあり方だ。
例えば、
- 女性の社会進出を応援するために、日々の仕事や家事での動きの改善を通じて心身ともに健康になるプログラムを提供。
- 読書の喜びを体験してもらうために、どんな分野の本もエンターテイメント仕立てにした読書サポートツールを開発。
- コンテストやプレゼン、はたまたYouTubeなど自己表現の場で100%のパフォーマンスを発揮するための自己肯定感・自己効果感アップのコーチングを実施。
- 世の中のありとあらゆるものには「今自分が見えている」見方とは違った見方があることを全世界の人に気づいてもらうためにアートをきっかけとした対話を促進する活動。
これらはみんな私のクライアント様なのですが、この方々は現実に何が起きても決して悩んだり凹んだりしないひと。先ほどのレジリエンスが強い人たちだ。
全員に共通しているのは
比較的抽象度が高く社会性のあるAと
Aを実現するための具体的な活動B。
これで構成された
Aを実現するためにBをする
があること。
究極のWHYまでたどり着く
究極のWHYを実現するために上述の
Aは抽象度が高く社会性のあるものであることが多い。
しかし、
その抽象度が高く社会性があるAまでたどり着いた理由は意外にもパーソナルな出来事に由来していることが多い。
例えば、先ほど挙げた方でいうと、
子供の頃から文字を読むのが苦手だったことを背景に、「めちゃめちゃ楽しい解説ツールがあれば読めるかも」とご本人が思ったことが現在の「読書サポートツール」の開発に繋がった。
人前でしゃべるのはおろか、宴会の幹事をできないぐらい「自分に自信がなかった」ことからスタートしたパフォーマンスアップ・プログラム。
どれも「半径3メール」程度の問題やお困りごとをどうすべきか?ということがはじまり。
なので「コンセプトを作ってビジネスにして」という過程の中で、実現したいことは抽象度が高く社会性を帯びたものになるが、もともとは、そして究極のWHYはかなり個人的なところにあったのです。
ということで究極のWHYを見つけるためには、まずは自分や自分の周辺が(半径3メートルぐらい)「これだけはどうしてもなんとかしたい」と思っていることをテーマのとっかかりにすることをおすすめします。
ブランディングはWHYがないとできない
ブランディングはある意味ピラミッド構造のようになっている。
- WHY:なぜ/どうしてこのビジネスをやるのか
- WHAT:なにをやるのか
- HOW:どのようになるのか
- WHO:誰に対して提供するのか
これを通じて「〇〇と言えば」という問いに対して、あなたの名前が真っ先に挙がる。
この状態を目指すのがブランディング。
以下のイメージを参考にしてみてください。
ではまた